好きなスペイン語

理由はひたすらどうでもいいが、心の底から好きなスペイン語の単語が1つある。

 

“Contundente”

形容詞

1: 説得力のある, 強力な. Prueba 〜 決定的な証拠.

2: 打撃[打撲]を与える.  Un arma [instrumento]〜鈍器.

(小学館『西和中辞典【第2版】』)

 

めっちゃうける。

そもそも抽象概念を表す単語なのに、2つ目の意味がめちゃくちゃ具体的なのもいい。

ある日空港の注意書きに

“No se permite llevar objetos contundentes”(打撃を与えうる物の持ち込みは禁止されています。)

と書いてあるのを見てから、Contundenteに夢中である。

発音もいい。「コン・トゥン・デン・テ」。

一音節ごとにNが入って音が区切れるので、非常にリズミカルである。

日常生活に積極的に取り入れていきたい単語である。

 

 

もう一つ、これは単語ではなく1文であるが、非常にポテンシャルが高いのが

“¡Que te den por el culo!” (糞食らえ)

である。

これは、一般によく耳にする(けども、日常使いするととても育ちの悪い)言い回しであるが、この1フレーズの中に、スペイン語の文法の中級レベルの重要ポイントが全て含まれていて、とても興味深い。

 

1:命令のQue

ここに出てくるQueは命令の意味を持つ。このため、続く動詞darが接続法3人称複数形のdenになる。

 

2: 間接補語のte

 

3: 3人称複数形の動詞による無人称文

 

4: 前置詞por

これは未だに正確な機能がよくわからない。「〜を通って」の意味の経路のporなのか。

 

5: 直接補語の存在と、文章の省略

言わずもがなの場合や、言い古された諺などの場合、文章の一部を省略する。

 

上記を踏まえて直訳すると、「誰かがお前のケツに(チンコを)くらわせろ!」という意味になる。

たかが悪態、されど悪態。文法的に分解してみると色々と興味深い。ただ、この解釈が正しいか答え合せをしてくれるスペイン語教師は未だにいない。