スペインにおけるフランス風オムレツとは
スペインでTortilla(トルティージャ)といえば、日本でしばしばスペイン風オムレツと訳される大量に卵を使った、分厚くてジャガイモやなんかが入ってるアレのことである。
だったら日本でいうところのプレーンオムレツはなんと呼ぶかというと、Tortilla francesa(フランスのトルティージャ)である。
トルティージャはスペイン発で、プレーンオムレツはフランスから伝わったから、そう呼び分けているのかと思いきや、名称の起源として伝わる俗説は、もうちょっと不穏な話であった。
1810年にナポレオン軍がスペインのカディスに侵攻してきた時、町の人がいつもの通りトルティージャを作ろうとしたけれど、芋が不足していたので、仕方なく芋なしで作ったのがきっかけで「フランスが来よった時のトルティージャ」から、「フランス風トルティージャ」と呼ばれるようになったという。
ただし、1804年に出版された英語の料理本の中に「French omelette」のレシピと名称が登場するので、ナポレオン軍の話が実際の起源かどうかは少し疑わしい。
(以下情報ソース)
しかし、人口に膾炙するのはナポレオン軍の方の話なのだ。
19世紀のスペインの俗説は、フランスへのディスで満ちている。